子ども虐待防止セミナーを実施しました!(石巻・南三陸)

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子ども虐待防止セミナーを実施しました!(石巻・南三陸)

更新日:2014年2月6日

震災発生から3年を迎える昨今、県内各地の子ども支援団体から、子ども虐待の報告や被虐待児への対応の相談が寄せられるようになっています。


しかし「これって虐待?」思っても、通告をためらう人が多いという現状があります。

「児童虐待を発見、45%『特に何もせず』兵庫県調査」/13年10月30日神戸新聞

そこで、児童虐待の現状や実際の対応の流れを学び、管轄の児童相談所や市町村の担当者と顔合わせをする機会を作ることを目的として、「子ども虐待防止セミナー」を実施しました。


午前中は岩手県の児童養護施設を取材したドキュメンタリー映画「葦牙―あしかび―」を上映し、午後は児童相談所職員などによるセミナーとともに、参加者同士のネットワーク作り、そして個別相談会を行いました。


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このセミナーは以下の二つの会場にて行いました。

■石巻会場

1月23日(木)石巻ささえあい総括センター/参加者数 29名

■南三陸会場

1月30日(木)南三陸ポータルセンター/参加者数 15名


石巻会場は、石巻市と女川町でそれぞれ仮設住宅の訪問支援員をしている人や、現地の子ども支援団体職員が参加、南三陸会場は気仙沼市の支援員や、南三陸の子ども支援団体職員などが参加してくださいました。


講師は、各地の管轄の児童相談所職員や、石巻会場では市の「虐待防止センター」の職員をお招きし、地域ごとの虐待対応の現状や、最近はどのような通報が多いかをお話しいただきました。

終了後も、参加者同士で情報交換をする姿も見られ、このセミナーが地域で子どもを見守っていく体制作りの第一歩になったのではないかと思います。


■児童相談所職員によるセミナー内容(一部抜粋)
・虐待を発見した場合、または「これって虐待?」と疑わしい場合も含めて、一般の人も通告する義務がある。心配だなという段階でも通告をしてほしい。

まずは情報がほしい。児童相談所(以下、児相)から情報を得る手段がないため、相談や通告をしてもらわなければ情報を掴むことができない。

・家庭内で起きていることは外からはなかなか見えにくい。色々な場所で子どもや親に接している人が、子どもが出しているサイン、親が出しているサインに気付くことが大切。

・通告者を守る責任と義務があるため、情報を勝手に開示することはない。
・児童福祉法における子どもの相談機関は、市町村、県福祉事務所、児童相談所、児童家庭支援センターの4つ。第一義的な相談機関は市町村、それをバックアップするのが児相という役割分担になっている。

・市町村は様々な福祉サービスを提供できるため、手続きの助言等を行うなど保護者のニーズに合った対応ができる。

・児相は数も少なく地域に密着した活動が難しい。まずは各市町村の窓口で相談を聞いて、児相など専門機関につなぐ必要があるかどうかを判断して交通整理をしている。

・市町村は「要保護児童対策地域協議会」を設置し、ネットワークで支援している。支援の枠の中に心配な子どもや家庭をのせることが第一段階。

・児相の相談援助活動は、最終的に(1)施設措置等、(2)在宅指導、(3)他機関送致等の3つに分かれる。実際の割合として虐待相談の8割が在宅指導、2割が施設措置等で家庭から分離

・在宅指導はケースワーカーによる家庭訪問や、定期的に児相に通所してもらって面接をする。そのほか、学校など子どもに関わる機関と連携して見守りを行う。


*石巻会場での配布資料はこちら

「虐待が発見されてからの流れ・ケース会議・措置制度などについて」


(参加者感想)

■映画「葦牙」について

初めて児童養護施設のドキュメンタリー映画を観ました。とても重く、切ないものでした。

映画の中で登場した子が「親だから嫌いになれない!!」との言葉が耳に残っています。

この子たちが将来幸せに暮らせる事を願わずにはいられません。


■児童相談所職員によるセミナーについて

学習支援をする中で気になる子どもたちがいるが、個人情報のこともありどのように情報を出していいのかが分からなかった。

しかし今回担当者と顔合わせができたので、これからは連絡をしていきたい。


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